
ロコモティブシンドロームはご存知ですか?
ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害により、基本的な運動能力が低下している状態を意味します。
筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板のいずれか、もしくは複数に障害が起こると、やがてバランス能力・体力・移動能力などが衰え、立ったり歩いたりといった日常生活の中で行う簡単な動作が困難になります。
適切に対処しないと、運動器機能はさらに低下していき、最悪の場合は寝たきり状態になるおそれもあります。
目次
ロコモティブシンドロームの原因
筋力の低下
加齢による筋力の低下と筋肉の萎縮は、特に下半身に現れやすいのが特徴です。高齢者の転倒事故を招く大きな原因となっています。
特に転倒に関係してくる筋肉として腸腰筋があります。
また高齢者でなくても、運動不足によって筋力が低下するケースもあります。
バランス感覚の低下
バランス感覚を保つには、「視覚」「三半規管」「筋力」という3要素の連携が重要です。
視覚は物の明るさ、距離を計ります。視覚がなければ危険を防ぐことはできないですよね。
平衡感覚は耳の三半規管によって保たれていますが、この働きが衰えると、めまいやふらつきが起こるようになりつまづいていないにも関わらず転倒に繋がることがありますので注意しましょう。
平衡感覚の低下を招くのは、加齢と運動不足、そして脳の障害です。
高齢者の方は加齢に伴う老眼や白内障などで視覚の低下が起こります。すると三半規管も衰えてきます。三半規管は身体のバランスを整えるためにあり、機能低下により転びやすくなったりふらついたりするようになります。
ロコモティブシンドロームの影響による転倒防止に腸腰筋を鍛えよう
腸腰筋ということばを皆さんはご存知でしょうか?この腸腰筋が転倒予防に効果的なのです!
日常生活の中で歩くことや、走ること、階段を上ったり下ったりするときに、なんとなく疲れる、なんとなく歩行スピードが落ちているような感覚を得ている方はいますでしょうか?
その感覚がある場合は黄色信号です。
ロコモティブシンドロームの影響も考えらますし、そのままでは腸腰筋の機能低下により転倒は目にみえています。
なので転倒予防に腸腰筋を鍛えていくことが先決です。腸腰筋は下半身と上半身を繋ぐ筋肉です。
腸腰筋の働きは姿勢を正しくすること
人の正しい姿勢というのはくるぶし、膝、骨盤、肩峰、首とまっすぐ垂直に位置することが重要ですね!
しかし普段の運動不足などでは姿勢が崩れてくることがあります。特に腸腰筋の筋力が低下したときには骨盤が後傾し猫背のような姿勢になります。
腸腰筋が弱ると骨盤が後傾することで画像右のような下っ腹がぽっこりでるような姿勢になります。
本来筋肉は弾力のあるゴム状の性質であり、常に骨盤を中立に安定させますが腸腰筋が弱くなることでまるでゴムが伸びきったような状態になります。
つまり腸腰筋をしっかり鍛えることで姿勢を正しく保つことができるようになります。
正しい姿勢は転倒防止になる
正しい姿勢は骨盤が安定しているため歩き方も正しくなります。
歩き方には2通りありますが、主に転倒する方の歩き方は膝歩き、転倒しない方の歩き方は正常といえます。
画像の2つを見比べても一目瞭然ですよね!
腸腰筋の筋力が低下した高齢者の方は右のような歩き方になるため歩幅も狭く、高さもないためちょっとした段差でつまづいてしまう可能性が高いということですね。
腸腰筋がしっかり機能していることで正常な姿勢で歩くことができること、それは骨盤の上に重心が乗り、安定することから膝への負担や二次的障害の予防にも繋がることがわかります。
歩く際は足を前に出しますが、前に出すスイングの力が歩幅に関係していると言われます。
もちろん転倒には反射機能の問題であったりと原因は多面に存在し、バランスをとることは高齢者の方にとって難しいことですが、まずは歩行を正しくできるようにすることが重要ではないかと思いますね!
つまり腸腰筋は股関節を曲げたり、足を後方に出すことで歩行機能を調整している唯一の筋肉であることから転倒予防にも重要と言えるのです。
ロコモからの転倒予防に腸腰筋トレーニング法!
ニートゥエルボー
ニートゥエルボーでは腸腰筋と同時に捻る動作が加わり、腹直筋、腹斜筋が鍛えられるので、消費カロリーも比較的多いトレーニングになります。
捻るということはカラダの柔軟性も重要になることからトレーニング上級者が行うと良いでしょう。
1 立った状態で姿勢を正します
2 右肘が左膝にくっつくように足を持ち上げます、この時なるべく膝の位置が高いところで接触しましょう
3 姿勢が後ろに倒れないようにして反対も同様に行います
4 左右合わせて20回を目安にしましょう
仰向け腸腰筋トレーニング
トレーニングに慣れてくると体幹力や筋力が向上してきます。このトレーニングでは主に腹筋と腸腰筋を同時に鍛えることができます。
トレーニング初心者の方だとまだ腹直筋の力が足りないことで難しいことが多いので最初は膝を曲げて行ってもよいです。
徐々に筋力をつけていってから行うと良いでしょう。
1 仰向けに寝て両手はお尻の横へ置きます
2 両足をそろえ、90度まで足を上げていきます
3 下ろす位置は身体と水平になる位置、この時かかとは床にはつけません
4 回数は20回を目安にしましょう